患者様それぞれの使用目的や使用環境をお伺いし、実際の見え方をお試しいただいた上で処方をしています。
もはや手放せない存在となったスマートフォンやタブレット
スマートフォンによる眼精疲労は、近視の過矯正、遠視・乱視の低矯正、軽度の不同視の未矯正等、本人が気づかない視機能の軽度なアンバランス状態が原因にあります。
そこに長時間、極端に眼とモニター距離が近づくことで過度な調節・輻湊運動が起き脳の負担となり生じたものです。「見えること」と「楽に見ること」とは違います。
ピント合わせのチカラをサポート。近くがラクに見えるレンズです。
日頃私達が見ているものの、大体の距離感は下図の通り。一般的にはピントを合わせる力(自己調節力)の50%以上を使い続けると疲れを感じます。疲れ眼対策レンズは、近くを見る力をサポートするレンズです。
遠方視力は保ちながら、近方作業時の調節力をサポートし、眼の疲れを軽減します。
調節力は加齢と共に低下し、眼精疲労の要因の一つとなっています。
人は10歳頃をピークに、徐々に調節力が弱まり、45歳を過ぎると「細かい文字がにじむ」「ぼやける」というような自覚症状が現れます。これが「老視」の始まりです。
調節力の低下そのものの進行を止めることはできませんが、調節力をサポートするメガネやコンタクトレンズで負担を軽減することが可能です。
メガネの場合、「遠近両用レンズ」はとても便利ですが、レンズに様々な度数を分布させるため、度数が強くなると使いづらさを生じます。この場合、お手元度数を抑えた遠近両用に加え、「中近両用レンズ」などを使い分けることが最適です。
視機能は加齢と共に変化し、この世代は視機能が低下し始める年代です。
加齢に伴う視機能の低下は、主に以下の4つの現象として顕在化してきます。
調節力の低下、網膜の感度低下、眼の筋力の衰え、順応性の低下
これらは、ぼやけ、複視( ものが二つに見える)、頭痛、めまい、集中力低下などの症状としてあらわれます。
また、見えづらいことに気づかず、無理をすることは眼精疲労の原因となります。
視力は脳が判断するため、疲労は気づかないうちに脳に蓄積され、全身症状を引き起こす例もあります。
メガネを作製する際には、4つの基本的視機能を考慮し、レンズ度数を決定する必要があります。また、使用目的に合わせて複数のメガネを使い分けたり、眩しさを抑えるフィルターレンズなどを活用することも効果的です。
からだの成長とは違い、眼の成長は8歳頃までにほぼ完成します。眼の発達期を逃してしまうと、メガネを掛けても視力は向上しにくくなります。その大切な時期に子どもの眼の成長を促すのが、「メディカルユースのメガネ」です。
また、小学生になると近視の子どもが増加します。子どもの眼は、近業が多い生活環境だと、一時的な眼の調節緊張状態、いわゆる「仮性近視」になる場合があります。本当に近視なのか、一時的な近視状態になっているだけなのかを検査する必要があります。
当院では「小児眼科外来」を設け、お子様の眼の状態を専門的に検査した上でメガネ処方を行っています。